山のかたち
噴火、爆発、崩壊、陥没、降灰…。様々な火山活動で山は成長する…
雨、風、雪…。風化、浸食…。活動を続ける浅間山に深い谷はない…
弥陀ヶ城岩上部の浸食模様…
縦横に走る断層。黒斑山の断層の延長は牙山・剣ヶ峰の北側崩壊面と一致…
黒斑山崩壊面の延長は蛇堀川の谷。流れが向きを変える辺りには2つの滝。これは不動滝。硫気口列があり、混じり物が多いので汚れたように凍る…
こちらは大日滝。水は凍ると体積を増す。それが、長い年月をかけて亀裂の入った岩をさらに脆くしたりもする…
鹿沢を流れる雪融けの湯尻川…
透明な湧き水が空気に触れて酸化。泥水のようになって血の滝をなす…
崖の途中から染み出す白糸の滝…
湯ノ丸高原の渓流…
軽井沢の湯川…
強い風が笠雲を作る…
光芒。晴れ行く山麓…
二度上峠からの朝焼けの浅間山…
火山活動は破壊的なものも含めて巨大な山を造り、その独特な姿を形作ります。長い年月をかけて…。その間、風化・浸食は作用し続けます。時に現れて人の目を楽しませる気象現象。それらも加味してまとめてみました。
剣ヶ峰 牙山
剣ヶ峰も牙(ぎっぱ)山も古黒斑山が山体崩壊した残骸…
蛇堀(じゃぼり)川源頭が現在の黒斑山と牙山を隔てている…
黒斑山の一角、槍ヶ鞘付近から見る。牙山の断崖の奥に剣ヶ峰が続く…
そそり立つ牙山。遠く八ヶ岳を望む…
夕映えのダケカンバ。牙山の断崖は古黒斑山の断面…
数万年の時を経て進む風化、浸食。そして、植生の侵入…
蛇堀川沿いには断層、硫気口列、登山道。大規模な噴火は陥没を招き、断層を作り、それが火山のエネルギーのはけ口となって水蒸気爆発などの火山活動につながり、その名残の硫気口列があります。脆弱な地層は侵食が進み、川をなし、谷となります。そこを辿って山に向かったので登山道がつけられています。
鬼押出し
天明3年、1783年、噴火末期に火口から北にあふれ出した溶岩…
高温の溶岩は冷えて塊となりながら流れ下る…
赤くドロドロと煮えたぎり、白い煙をモウモウと上げて流れ下った溶岩…
乗り上げ、覆い被さり、転がり、ひしめき合って、その姿を固着させて行く…
失速し、冷えて固まった溶岩流先端部…
溶岩流は数回に渡って繰り返された…
目の前に乱立する奇岩。二百数十年前のことを想像する…
火山灰が詰まった溶岩流の中の平坦地…
埋め残りか、転がって来たのか、飛んで来たのか。植物も侵入…
溶岩流側面
溶岩に張り付くミヤマヤナギ…
山頂から右の稜線に沿って溶岩が流れた…
ここは入れません。少し下に整備された観光施設があります。
前掛山
天明3年、1783年までは前掛山が噴火口。釜山の東西にその痕跡が残ります。
埋もれ残る旧噴火口内壁。上部には火山灰など堆積を示す地層が見えます。
旧噴火口内壁のそそり立つ節理。
前掛山の山頂。
左は釜山。その噴出物で旧火口底は埋め尽くされています。わずかに植生…
火口壁をなす岩。地層のような水平な線と節理と思われる垂直な線。
わずかながら蒸気を上げている場所があります。
2004年の噴火で稜線に出来た窪み。直撃した火山弾は砕けています。
陰影で再現されたような前掛山噴火口。外側の斜面には少しずつ植物が…
地衣類、ガンコウラン、黄葉するカラマツの幼木…。侵入する植物…
前掛山の外側斜面は植生が乏しく、浅い侵食跡が縞模様になっています。うまく雪がつくと分かりやすくなります。下部は既に樹林帯。稜線左奥にわずかに釜山。黒斑山の一角、槍ヶ鞘にて。
現在入山規制があります。前掛山も今は登山禁止です。