むすび
山中をさまよい
時を遡る
生命に出会い
その関わりに感嘆する
入山峠からの夕日と浅間山
浅間山にこだわり
小さな生命を見つめながら
時空を越えて
想いは果てしなく広がって行く
浅間山は今も活動し、成長を続けています。成長を止めた火山は、風化・浸食等の作用を受けて形を変えて行きます。山体崩壊等、火山の変遷の中で大きな事件も起きます。それは、人が体感できない長い長い時の流れを経て起きること。でも、活動的な噴火口を離れるにつれて変化する地形を観察すると、長い時間経過の中で起こったことを想像することはできます。その間数万年。古黒斑火山まで含めると10万年を越えるかも…。数万回、四季を繰り返してきた。激しい火山活動で焼かれた草木もあったでしょう。それでも植生は荒涼とした火山を覆うように発達し、虫たち、鳥たち、獣たちが棲むようになる。豊かな自然。生態系。今の浅間山。浅間山誕生物語。撮り溜めた写真をそんな思いで編集してみました。
生命 見つめて
氈鹿 かもしか
「ほーい。」
私はカモシカを見つけると、すぐに声をかける。遠くから気付かれずに撮影するほどの、望遠レンズを持っていない。
多少遠目からシャッターを切る。警戒のゆるい内にカメラに慣れてもらう。
相手が距離を取って離れて行くようになったら、それ以上近づかない。
そして、話し掛けながら写真を撮らせてもらう。
トーミノ頭にて
カモシカ。氈鹿。羚羊。ウシ科。日本固有。古い形態を残す特別天然記念物。
槍ヶ鞘にて
そこ、下りるの…
あれ、うずくまっちゃった。…今日のねぐら?
目の下の臭腺からの分泌物を岩に擦り付けて、テリトリーを主張…
日帰りでも
こんなに荷物を背負っているのに
君は身軽でうらやましい
でも君は
ここで暮らしている
こんな場所で
何があったのか
分からない…
私は
山で現実を見ることを教わった
そして
これも現実…
…親子
生命は連綿として
繋がって行く…
生命 見つめて
虫たちⅡ
ハチやアリ、ハエやカ、そしてチョウはより進化した昆虫…
未知なるものへの怖さ。でも…
しっかり撮ろうとレンズ越しに見ていると、意外に近づいていて…
それに、色も模様も大きさもさまざま…
コイツらがチョウやガになる。事実があるから当たり前に受け入れてるけど…
発想が先行したなら受け入れ難い…
自分の体の何倍もあるケムシに喰らいつくハサミムシ…
夜行性の小さなガは身動ぎもせず…
葉や岩に張り付く…
背景に溶け込むというほどではないが、小さくて見つけにくい…
大きなオオミズアオ。羽が痛んでいる…
タムラソウとオオチャバネセセリ
ヨツバヒヨドリとヒメシジミ
クガイソウとコヒョウモンモドキ
クジャクチョウ
マツムシソウとミヤマシロチョウ
ヨツバヒヨドリと渡りをするアサギマダラ
クガイソウとキアゲハ 奥はシュロソウ
生命 見つめて
虫たちⅠ
羽を折り畳めないトンボは、昆虫としては古いタイプ…
バッタは羽を折り畳む。ただ、羽を退化させてしまうものなど、種類は多い…
セミは樹液を吸うように、口を針状に特殊化させた…
ノアザミに来た、小さな小さなハナカミキリの仲間…
マルバハギにやって来たのは、別のハナカミキリの仲間…
カミキリムシの仲間。繁栄、多様化している甲虫目に属す…
テントウムシの幼虫…
マツムシソウの蜜を吸いに来たハナアブ。昆虫はその種類、数ともにずば抜けて多く、地球の陸上における成功者。植物が虫たちに受粉を頼り、それぞれ特定の相手を決めつつ特殊化し、共進化し、それぞれ多様化します。把握不能なほどの多くの種類。植物も、昆虫も…
ウツボグサの蜜を吸いに来たホソヒラタアブ…
こちらはクマバチ…